「中華人民共和国 M7.2~M7.8 被害 大」――こんな書き込みが中国四川省で発生した大地震の半日ほど前に巨大掲示板「2ちゃんねる」でされたため、「神降臨」と話題になっている。さらに、日本列島でも地震が相次いでいることもあって、「地震の予言」でインターネット上は揺れている。
地震発生を科学的に予測するのは無理
2ちゃんねるでは中国四川大地震を「予言」するかのような書き込みが出現
中国でM7.2~M7.8の地震を「予言」した書き込みが「2ちゃんねる」の「予言スレッド」にされたのは、2008年5月12日の午前4時55分。中国四川省でマグニチュード7.8の大規模な地震が発生したのが、日本時間で5月12日午後4時頃と言われている。書き込みは、「中華人民共和国 M7.2~M7.8 被害 大」と単純なものだったが、多くの2ちゃんねらーが国内での地震を憶測する中で「中国」という場所、規模も含めて、半日ほど前に大地震を言い当てていたため、中国四川省の大地震後は、
「神降臨」「予言者がいるときいて飛んできました」「預言者様、次に日本で起こる大地震の予測をお願いします」「つーかすげぇー」
といった驚きの書き込みが相次いだ。
「今のところ予知できる可能性があるのは東海地震。というのも、地震計やひずみ計、GPSなどによる測定器がここに集中しているほか、海溝型という比較的分かりやすいプレートの構造になっているからです。それでも予知できるかどうかといったところなんです」
とJ-CASTニュースに話すのは、国土地理院の地震予知連絡会の担当者だ。同会によれば、予想される東海地震の型は、プレートが沈み込む海溝型と呼ばれるもの。短期的な周期で地震が起こりやすく、科学的に予測しやすいはずのようだが、現実には予測するのは難しい。ちなみに地震予知連絡会が過去30年のあいだ、地震前に警報を出せたことはない。
各紙の報道によれば、中国の四川大地震はユーラシア・プレートに北上したインド・オーストラリアプレートが衝突。プレートの衝突の影響で内部にひずみを蓄積したことで、今回の地震につながったと見られている。当然、大規模な地震が発生すると科学的に予測するのは非常に困難との見方が強い。
関東地方に地震が来る??
そんな中、日本国内に地震が発生するデータが現れたとして、またもやネット上で話題を呼んでいる。それはNPO法人「大気イオン地震予測研究会(e-PISCO)」が公表している大気イオン濃度の「急上昇」だ。同会は、イオン濃度が急上昇すると、地震の前兆である可能性が高いとして、イオン濃度を測定して地震の予測を研究している団体。
この「イオン濃度」の厚木地点での測定値が5月13~14日にかけて急上昇しているのである。大阪市立大学名誉教授で同会理事長である弘原海清氏は「関東地方に地震が来る可能性は高い。ただ、この時期に雷雨があったため、その影響でイオン濃度が高くなっている可能性があり、それをどのように配慮するのかが問題。しかし、要注意な状況であることに変わりはない」と話す。弘原海氏によれば、同会はこれまで新潟中越沖地震などを予測。これまで大きい地震だと30日前、小さな地震でも1~2週間前にイオン濃度の大きな上昇が見られているという。
このほかにもネット上では、1923年に発生した関東大震災直前の他地域での地震発生の仕方と、四川大地震などが類似していることや、地震の前触れとなる「地震雲」が出現しているなどといったことを挙げて、近々日本列島に大規模な地震が発生するのではないかといった話題で盛り上がっている。