運営店舗の9割2028店が「ほっともっと」に移行
実際、「看板」が原因で、倒産に追い込まれた弁当店チェーンの例もある。「ほっかほっか亭」店舗を長崎・宮崎県で展開していた「東朋商事」(長崎県佐世保市)は、販売方式をめぐってプレナスと対立し、88年に別ブランド「We'SN」(ウィズン)として独立。東朋商事側は地元の食材産品を材料に使っていたが、仕入れや流通コスト削減を狙った一括購入を求めるプレナス側と対立したのだ。東朋商事側は「地元にあった味」をアピールしながら店舗展開を進めたが、一方のプレナスも「ほっかほっか亭」店舗を「東朋商事」の営業区域で急展開。両店舗が競合した結果、We'SNの集客力低下が続き、08年1月には「東朋商事」は自己破産を申請することを決めた。「看板の力」の差で敗北した形だ。
もっとも、今回の「絶縁騒動」で、「ブランド力」がどの程度影響するのかは不明だ。元々、総本部とプレナスとの結びつきは薄いとされ、メニューの開発やCM制作などプレナスが担当してきた。そのことから、比較的早く新ブランドが定着するのではないかとの見方もある。
それを表すかのように、08年3月13日にプレナスが発表したところによると、運営店舗の9割にあたる2028店が「ほっともっと」に移行する。このうち直営店を除いたFC店舗は915店。一方、総本部側を支持して「ほっかほっか亭」ブランドを選んだのは266店舗で、FC店では8割がプレナスを支持した形だ。
同日の発表によると、関西地区にも「ほっともっと」を出店し、攻勢をかけたい考えだ。一方の総本部側も九州に営業拠点を設け、切り崩しを図る。弁当ブランドをめぐる「ホット」な戦いは続きそうだ。