スピード社水着対抗の新素材 「世界最速」製品化できるのか

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「素材以外も重要」スピード社側

   水着メーカー3社では、日本水泳連盟からの依頼を受けて、競泳用水着の改良を始めた。山本化学工業からの提案も受けたが、3社とも、「バイオラバースイム」を使うかどうかについては、「ほかの素材メーカーからも提案があり、検討中」と話すのみだ。各社とも、これまでに開発した水着をベースに、「改良に向け最大限努力しています」と話している。

   例えば、「バイオラバースイム」を使う場合、本当に「世界最速」の水着ができるのか。

   山本化学工業によると、関西大学が4月5日、この素材を採用したニュージーランドの水着メーカーの商品をテスト使用したところ、学生選手4人が50メートルで1~2秒の大幅な記録短縮をしたという。ニュージーランドメーカーの水着は、すでに国際水泳連盟の公式試合用の認可を受けている。

   とはいえ、たとえいい素材であっても、それを「世界最速」の水着にするには様々な技術的課題をクリアしないといけないようだ。

   ゴールドウィンの担当者は、「レーザーレーサーは、型紙、無縫製、圧力のかけ方といった構造面にも特徴があります。どうやって泳ぎを速くするか、総合的に考えてつくっています」として、素材以外も重要だと指摘する。改良のために与えられた期間の中で、依頼を受けた3社の乗り越えなければならない壁は高そうだ。

   3社が改良に失敗したら、日本水泳連盟がスピード社水着を採用する可能性はあるのか。

   これに対し、同連盟の事務局長は、「結果を見るまでは、何とも言えません。ただ、大きな問題だと思っています」と話す。ゴールドウィンでは、水泳連盟からの打診や自らの働きかけについて、「それはありません。契約中の3社があり、混乱させることになるからです。オリンピックのことは、水泳連盟が決めることです」としている。

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