プロジェクトの進行には自信満々だった
さらに、処理能力自体は日立製作所製の旧UFJのシステムが高いとされた一方、旧東京三菱が事実上旧UFJを救済する形で存続行となった関係で、統合後のシステムもIBM製の旧東京三菱のシステムに「片寄せ」する形となった。一方で、ATMの365日24時間連続稼働など、旧UFJにしかなかったサービスも維持することになったため、その分の機能を追加開発することになった。
こういったことから、「Day2」の作業規模は当初見通しよりも大きく膨らんだ。「日経コンピュータ」によると、「Day1」の作業規模と投資額は3万人月(1人月=1人のエンジニアが1か月働く作業量)、800億円だったのに対し、「Day2」は11万人月、2500億円という規模だ。ピーク時には6000人がプロジェクトに携わり、世界最大級の開発規模だとも言われている。
08年2月下旬には、一部報道機関に対して、プロジェクトの進捗状況を記者会見して説明。システムの開発状況について会見を開くだけでも異例だが、同行では
「社会に与える影響が大きいため、説明責任がある」
「順調かどうか、皆様にご判断いただきたい」
などと、自信を見せてもいた。
それでも発生してしまったシステムトラブル。04年7月の経営統合発表から丸4年が経とうとしているが、この半年が正念場と言えそうだ。