TCIの提案に分があるとの見方が強まる
両者の全面対決に対し、証券業界では「日本の株式持ち合いは理解できないという感情を抱いている外国人投資家は多い。80円の増配要求も妥当な線で、他の株主からの賛同を得やすいのではないか」(大手証券)と、TCIの提案に分があるとの見方が強まっている。また、政府の外資規制に対する説明不足も、TCIに有利に働くとの観測もある。
TCIが勝利すれば、中垣社長の再任が拒否されてしまうだけに、Jパワーも必死だ。証券業界では、「経済産業省が、Jパワーが勝てるように水面下で動くのではないか」との指摘もある。両者の争いは、第1幕では、外資の投資を規制する外国為替及び外国貿易法(外為法)が盾となって、Jパワーが勝利を収めた形だが、株主総会での結果はいまだに見通せないだけに、両者の神経戦は厳しさを増しそうだ。