アフターサービスにも力を入れる
デジカメが2桁の普及率になると、人口の10%としても中国には1.3億台のニーズがある。中国ではほぼ4000万台か5000万台のデジカメが販売されたが、10%の普及率にあたる1.3億台になるまでまだ数年はかかりそうであり、小沢社長が大胆に30%成長の目標を設定したのは、市場が爆発的に成長すると確信したからだろう。
ただし、数多くの日系メーカーの中から、キヤノンの製品を買ってもらうためには、それなりの工夫も必要である。
キヤノンのアジア地域販売促進会を取材した。冒頭の挨拶に、小沢社長はまず中国語の北京語(マンダリン)で挨拶し、そのあと、香港、広東などで使われている広東語、英語、そしてマレー語なども駆使して、会場の雰囲気を熱くした。「宴会の挨拶も極力中国語でしている。大事な話は、英語でしゃべる」。中国語をそれほど勉強していない小沢社長は、言葉には細心の注意を払う。
北京では製品を修理するアフターサービスセンターをメーカーが設立する企業はそれほど多くない。小沢社長はサービスセンターの充実に力を入れていて、「これも他社さんとの差異である」と言う。
社員用の手帳に、「目標は小さなものでなく、大きな目標を作り、有言実行で挑戦しろ」などの社長が自らまとめた「販売憲法」17か条を印刷し、社員全員に徹底してもらっている。ここでも大きな目標が強調されている。