住宅ローンにも影響 長期金利これからもっと上がるのか

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当面2%を超えることはない?

   長期金利の上昇要因には、世界的にエネルギーや食料価格の高騰で物価が上昇し、「インフレ」が高まっていることもある。サブプライム問題で段階的に利下げを繰り返した米国のFRB(連邦準備制度理事会)も、利下げを打ち止め。「米国景気は、意外に良さそうといった見方がある」(枝川氏)という。

   2~3月に欧州に漂っていた利下げ気配も後退。日本も景気の停滞で「利下げ」が話題にはなったものの立ち消え。目下のところ、日銀の金融政策は「利下げもないし、利上げもしない」状況だ。日銀ウオッチャーで、東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは、「(長期金利は)量的緩和のころよりも下がっていましたから、それが調整された」とみている。

   海外投資家の「売り」に翻弄されている国債だが、長期金利のさらなる上昇はあるのだろうか――。前出の加藤氏は「急激な金利上昇にも限界があります。(いまの上昇が)日本の財政赤字の不安で売られているわけではないことがその理由です。当面2%を超えることはないでしょう」と話す。

   とはいえ、みずほコーポレート銀行住友信託銀行三菱UFJ信託銀行などは長期金利の上昇に合わせて、大企業向け融資の指標となる長期プライムレート(最優遇貸出金利)を0.30%引き上げ、年2.40%にした。5月9日(信託2社は12日から)以降の新規借り入れ分から適用するが、借り入れを望む企業にとって金利上昇は痛い。

   住宅ローン金利にも影響を及ぼし、住宅金融支援機構の長期固定型住宅ローン「フラット35」の5月の適用金利は、返済期間21年以上の場合で年2.950~3.550%になっている。上昇基調のままなのか、下がるのか、住宅の購入を検討している人にとっても悩ましいところだ。

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