「初音ミク」のヒットで有名になった音楽合成技術「ボーカロイド」だが、歌手のGacktさんの声を合成して歌を歌わせるソフトの発売が発表された。これまでは、男性の声による高音質の音声合成ソフトは少なかった上に、「ニコニコ動画」で行われた異例の販促活動が、ネット上でちょっとした盛り上がりを見せている。
Gacktさんの声が時報に使われていた
「時報」には大量のコメントが寄せられている
PC上で音楽を編集するソフトを中心に開発・販売する「インターネット」は2008年5月7日、音声合成ソフト「がくっぽいど」(GACKPOID)を08年6月中旬に発売する、と発表した。価格は未定。
同ソフトは、「初音ミク」同様の音声合成技術「ボーカロイド2」を利用。07年12月に収録されたというGacktさん本人の声をもとに声を合成、ユーザーが指定したメロディーと歌詞で歌を歌ってくれる仕組みだ。同社ウェブサイトには、「大きな古時計」を歌わせたサンプル音声も公開されている。
紅白歌合戦に出場するような「大物歌手」が音声合成ソフトに登場するのは異例だが、「インターネット」では、今回の経緯をこう説明する。
「アニメ路線で(売り込みを)やったとしても面白くないですし、他との差別化ができません。それよりは、『本来の音楽を使いたい』というと考えました。Gacktさんは色々と新しいことにチャレンジなさっているとのことで、弊社の企画にも興味を持っていただけました」
さらに、この「がくっぽいど」、動画共有サイト「ニコニコ動画」でも話題になっている。同サイトでは、1日に4回、動画再生中に「時報」が流れるが、大型連休頃から「時報直前に流れるメッセージは、Gacktさんの声なのではないか」との声がネット上で上がっていた。
ニコニコ動画を運営する「ニワンゴ」に問い合わせてみると、5月1日の午前0時から、確かにGacktさんの声が時報に使われており、5月7日0時からは「がくっぽいど」が歌っているのだという。