「現役の頃は肩が持病で痛かったんですけど、今は全然痛くないんですよ」と語るのは、現役復帰し、驚異の快進撃を見せているクルム伊達公子選手(37)。カンガルーカップ国際女子オープンテニスでは、シングルスで準優勝、ダブルスで優勝するなど、12年ぶりに現役復帰した選手とは思えないほどのパフォーマンスを見せている。その「驚異の肉体」には秘密があった。
フルマラソンにも挑戦
伊達公子選手のブログでは「酸素カプセル」「バイタルリアクト」といった言葉が登場する
「再チャレンジ一戦目で単復最終日に残れるなんて自分でもビックリ!!! 」。クルム伊達公子選手は2008年5月4日のブログで、シングルスで準優勝、ダブルスで優勝したカンガルーカップ国際女子オープンテニスを振り返ってこう述べた。シングルス準々決勝で日本ランキング優勝候補の中村藍子選手(24)を下すなど、4月7日に現役復帰宣言をしたばかりの選手とは到底思えないパフォーマンスを見せている。
さらに、伊達選手は2008年5月7日から福岡国際女子テニスに参戦し、2008年5月8日の試合で藤原里華選手を下し、シングルス準々決勝で中村藍子選手と再び対戦する。まさに本人も「ビックリ」の「華麗なる復帰」だ。
かつて、96年のフェド杯であの女王グラフを破り、世界ランキングでも最高4位にまで上りつめたといえ、26歳で引退してからのブランクはおよそ11年。トップ選手のピークが20代前半と言われるテニス界で、どうして伊達選手は今でも高いパフォーマンスを見せることができるのか。
「(トレーニングは)いろいろやってたんですけど、でもやっぱテニスってスピードとか反応とかもやっぱ必要なんで、それに対応できるかっていうところだけが見えなかったんですけど、日に日にそこは良くなってます」
中村藍子選手との準々決勝戦前の2008年5月2日朝、TBS系の情報番組「はなまるマーケット」に電話で生出演した伊達選手はこのように述べている。伊達選手はフルマラソンに挑戦したり、自宅があるモナコで、レーサーである夫のマイケル・クルムさんとランニングをするなどのトレーニングをしていた。さらに、2007年には西洋のヨガともいわれるピラティスの書籍を出版するなど、身体の取り組みには余念がない様子だった。
「ピラティス」「酸素カプセル」「バイタルリアクト」
同番組でもそのことが話題に上り、
「昔は、現役の時には、肩が持病で痛かったんですけど、たぶんピラティスのおかげだと思うんですけど、全然痛くないんですよ」
と告白。さらに、番組に一時期レギュラー出演し、ピラティスのコーナーを担当したことが話題になり、
「それがきっかけで、ずっと(ピラティスを)やってきたんですけど、今のところ、順調にコア(骨盤周辺の骨格や筋肉のこと)も鍛えられたのか、非常にいい形でプレーができています」
と明かしている。どうやら、「驚異の肉体」の背景には、「ピラティス」によるトレーニングもありそうだ。
しかし、「驚異の肉体」をサポートする治癒方法も伊達選手のブログで明かされている。
「昨夜はホテルの部屋に置いている酸素カプセルに2時間半ほど入って、疲労のピークも通り越して体がずいぶん軽く楽になった。今夜も酸素カプセルに入って休みます」(5月7日)
「ホテルのお部屋では『バイタルリアクト』の治療。今、すべて済ませてこれから休みます。睡眠時間が短くはなりますが明日にはきっと体がまた楽になっているはず」(5月3日)
「酸素カプセル」は伊達選手のブログに度々登場しており、かなり愛用している様子。さらに「バイタルリアクト」は、骨盤矯正や背骨矯正などに利用される最先端の治療法で、伊達さんも大会中はこれを利用することで、快進撃の支えにしているようだ。
「10代の頃の体力とはやっぱり違う」などとテレビ番組に対して語っていた伊達選手だが、「驚異的な肉体」の背景には、最先端のトレーニングと治癒法がある。伊達選手の活躍はまだまだ続きそうだ。