暴力の被害者が逆に加害者になる
沖縄タイムスの08年3月5日付けには、数時間にわたって殴られる「デートDV」を受けた女性(19)の記事が載っている。「デートDV」を受けた男と別れ、新しい恋人ができたときに、
「自分がされたように相手をコントロールしようとしてしまった。気付かぬうちため込んだ怒りがふいに爆発したり、フラッシュバックを起こし苦しんだ」
と、被害者が逆に加害者になる様子が書かれている。
日本での「デートDV」命名者で、「『愛する、愛される-デートDVをなくす・若者のためのレッスン7』などの著書があるアウェア(aware)代表の山口のり子さんは、J-CASTニュースの取材に対し、日本の若者の間で「デートDV」が増えているのは、セックスの低年齢化に関係していると話した。セックスすることによって、相手を自分の所有物のように思い、「支配」が始まるのだという。そして、相手を独占することが愛することだと勘違いし、「DV」だと気付かず、行為がエスカレートしていくことが多いのだという。
さらに、「格差社会」が不安を生み出し、残虐性が増しているというのだ。山口代表は、男女共に「デートDV」が増えているが、女性と体格差がある男性に比べ、深刻なのはやはり暴力を受ける女性。精神的、身体的後遺症が強く残る場合が多いと指摘している。