有名「戦場記者」の呆れた「詭弁」 光市判決めぐる「引退」宣言を無視

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   弁護側の主張が「荒唐無稽」であり、元少年の被告についても死刑を回避する酌量すべき事情が一切見だせない、と裁判所が判断したらジャーナリスト活動やめます――。こんな宣言をしたのは、光市事件の元少年や弁護団を取材してきたフリージャーナリストの綿井健陽氏。しかし、元少年の被告に死刑判決が下されると、「死刑判決が出たら辞めると言ったわけではない」と発言し始めた。「詭弁」といってもいい「言い逃れ」に、インターネット上で批判の声が上がっている。

東ティモール紛争やイラク戦争を取材

   綿井氏は東ティモール独立紛争やイラク戦争を精力的に取材してきたことで知られ、報道番組に出演することや、新聞にコメントを寄せることもしばしば。2003年には、国際報道に貢献したジャーナリストに与えられるボーン・上田賞の特別賞を受賞している。
   最近では、山口県光市母子殺害事件・被告弁護団の安田好弘弁護士を取材した記事を週刊誌「アエラ」(08年4月28日号)に寄せるなど、被告の元少年や弁護側の主張をクローズアップする取材活動を展開してきた。

   2008年4月20日、自身のブログ「綿井健陽のチクチクPRESS」で光市事件を取り上げ、「あまりこういった言い方はしたくないが、だが私もこれまで一年間この事件の裁判の取材をしてきた者として、何らかのリスクは背負わなければならない」とした上で、次のように述べた。

「もし被害者遺族の男性の言うように、弁護側の主張が『荒唐無稽』であると裁判所が同じように認定した場合、なおかつ検察側の最終弁論で述べられている『当審における審理の結果によっても、被告人につき死刑を回避するに足りる特に酌量すべき事情は、これを一切見出すことができない』と裁判所が同じように判断した場合は、私はこれまでの取材などで書いたこと、発表してきたことなどの責任を取って、すべてのジャーナリスト活動から身を引くことにした。僕もそれぐらいのことを背負う覚悟はある」

   広島高裁は2008年4月22日、本村洋さんの妻・弥生さんを死後に乱暴したことを「生き返ってほしいという思いからの『復活の儀式』だった」とした弁護側の新供述について「荒唐無稽な発想」としたほか、「むしろ被告人が虚偽の弁解を弄するなどしたことにより、死刑の選択を回避するに足りる特に酌量すべき事情を見出す術もなくなったといわざるを得ない」として、元少年に対して死刑判決を下している。

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