「値段じゃない」売れるマンション物件しだい
不振が伝えられる都心部も、いまだに20階以上のタワーマンションは根強い人気。これに限れば、08年3月でマンションの売れ行きを示す契約率は76.3%と、鈍ってはきたものの「不振」とは言いがたい。人気スポットの豊洲がある江東区の平均価格は5488万円で、1年前に比べると1~2割上がったが、「価格が高いから敬遠されているということはない」(不動産経済研究所)とみている。
では、どんな人が買っているのだろうか。「BELISTAタワー東戸塚」の藤和不動産は、「年齢で40歳以上。横浜市内にすでに住んでいて、2件目という買い増しの方も少なくない」と話す。
この物件に限らないが、タワーマンションは駅周辺の再開発事業がらみが少なくなく、「駅近」の条件を満たしている。駅から徒歩であっても、住宅地は夜になると人通りが少ないことなどが敬遠される要因ともいわれる。住宅地だからいいというわけではなく、駅近にスーパー、公園に病院と、とにかく年を重ねるほど便利性のよい場所で暮らしたい、どこへ行くにもあまり歩かずにすむ場所に住みたいということらしい。
一方、都心部のマンションは30歳代が中心。外資系企業などに勤める人や共稼ぎ夫婦が少なくない。こちらは勤務地に近いことが条件になっているようだ。