韓国、米国、日本で発覚 「指紋切除」どんな手術か

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   密入国者の指紋を切り取った男が、韓国の警察当局に摘発された。日本政府が入国審査の際に指紋を採取するようになり、偽造旅券で密入国ができなくなることを恐れての犯行とみられる。米国も同様の事例がみられるが、この「指紋除去手術」、相当痛いようなのだ。

メスを使って指紋を切り取って縫い合わせる

指紋を「消す」代償は大きい
指紋を「消す」代償は大きい

   韓国の大手紙「朝鮮日報」などが報じるころによると、韓国の警察当局は2008年4月30日、旅券偽造ブローカーの男3人、病院事務職員、両者を仲介した建築業の男の計5人を医療法違反の容疑で摘発した。調べによると、容疑者らは08年3月以降、1回250万ウォン(約26万円)で指紋除去手術を請け負い、旅館やカラオケ店内で、メスを使って人差し指と中指の指紋を1センチにわたって切り取って縫い合わせる手術を、少なくとも5回行ったとされる。依頼者のなかには、過去に日本から強制退去処分を受けたことがある人もいたが、裁判所で氏名を変えて新たなパスポートを取得。日本への出入国を繰り返した。ところが、07年11月、日本政府が外国人旅行者に対して指紋採取と顔写真撮影を始めたことから、入国審査で入国拒否されることを恐れて、今回の指紋除去手術が行われることになったようだ。

   もっとも、本当に指紋がなくなれば、それだけで疑われる可能性もあり、これで密入国が成功したかどうかは定かではない。

   日本や韓国では、このような「指紋除去」が行われるのはまれだが、米国では、やや頻度が高いようだ。

   複数の地元メディアが08年3月上旬に報じたところによると、08年2月2日、マサチューセッツ州の都市で逮捕された男が、この「指紋除去」を受けていた。この容疑者は、麻薬関連の容疑で逮捕されたが、逮捕時に、両手の指10本の指紋があるはずの部分が縫い合わされていたのだ。容疑者は偽名を使い、「ナイフを持った男と格闘した時に付いた傷だ」などと言い訳したというが、警察はこの主張を一蹴。地元警察の捜査官はテレビ局「WCVB」に対して

「明らかに、この国では法律で許されないような雑なやり方で手術されていました」

   とふり返る。手術はドミニカ共和国で行われたもので、韓国で明らかになったものと同様の手口とみられる。

   また、地元紙「イーグル・トリビューン」によると、同様の事例は2年間で5~6件も発生しているが、10本全部の指紋を除去してしまうことは、めったにないのだという。

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