若者の「海外旅行離れ」対策検討
しかし、1996年を境に20代若者の海外旅行者が減少し続けているのは事実で、「正規雇用者より年収が低い非正規雇用者が1990年後半から増加したことと関係が深いと考えられる」(同社)といった指摘もある。
「彼らにとって海外旅行が魅力的でなくなってきているというのは原因のひとつとして考えられます。あとは、景気や雇用の問題ですね。非正規雇用の若者が増えてきているという事情もあり、お金がない、休みが取れない、となってくると当然余暇に使うお金が少なくなってくるのでしょう」
と説明するのは、日本旅行業協会の広報担当者だ。しかし、若者の「海外旅行離れ」の背景に雇用や経済的事情があるとなると、「旅行業界でどうにかできる問題なのかといった面もある」(同担当者)のも確かなようだ。
「ビジット・ワールド・キャンペーン」では、若者の「海外旅行離れ」対策として、修学旅行や職場旅行で海外旅行をするよう促す取り組みをする予定だが、具体的にはまだ決まっていない。 旅行業界では現在、中高年層が海外旅行のメインの客層。しかし、若者が「海外旅行離れ」していくと、「いいお客にならないまま、将来が苦しくなってしまう」(広報担当者)。旅行業界でも、若者の雇用問題が大きな影を落としているようだ。