当日に何らかの活動を行おうとする動きも
胡主席が両寺を訪れる5月10日は、何らかの活動を行おうとする動きが出ている。ミクシィでは4月20日、「5月10日に奈良で『何かをする』トピ」というコミュニティが作られた。当日は、表立った抗議活動なら警察に排除される可能性があるとして、仏閣で僧侶の講話を聞いたり、キャンドルライトを灯したりしたいとしている。
一方、奈良の僧侶からも動きが出始めた。密教系寺院の僧侶ら20人でつくる「南都二六会」の橋本純信会長は、5月10日当日に、橋本会長が住職をしている十輪院で、チベット犠牲者の追悼法要を行う方向であることを明らかにした。橋本会長は、両寺に対し、「(胡主席を)受け入れてほしくない気持ちは強い」としながらも、「同じ奈良の寺同士なので、抗議活動はやりにくい。そこで、これに代わる意思表示として、法要を呼び掛けることにしました」と語る。
ただ、僧侶だけに集まってもらい、一般参加は断る方針だという。「どういう方が来られるか分からないですし、嫌がらせも考えられます。突然来られれば、寺の周囲に迷惑をかけるかもしれない」と橋本会長。
胡主席来日を前に、中国の外相が4月20日に法隆寺、唐招提寺を視察した際は、抗議とみられる市民の姿もあった。毎日新聞の21日付記事によると、法隆寺の南大門前では、参道沿いに、チベット旗のTシャツを着た人がいたり、「FREE TIBET」と書いた自転車に乗った男女数人のグループがいたりした。
長野市内で4月26日に行われた聖火リレーでは、沿道から飛び出すなどして逮捕された人もいた。それだけに、両寺とも、警察による厳重な警備を見込んでおり、関係者は、警戒を強めている様子だ。