「アスペルガー症候群」って何? 犯罪との因果関係巡り大議論

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   JR岡山駅で2008年3月、岡山県職員假谷国明さん(38)をホームから突き落とし死亡させた少年(18)は、広汎性発達障害の一種「アスペルガー症候群」だった、と各紙が報じた。これに対し、「障害名を出すことはいらぬ誤解を生む!」と関係団体は激怒。ネット上には「発達障害児(者)を犯罪予備軍みたいに言うのはやめて」などのカキコミが出ている。

「障害名を出すのは自粛して欲しいと訴え続けてきた」

   「アスペルガー症候群」とは自閉症の一つで、高機能自閉症、高機能広汎性発達障害と殆ど同じ意味で使われることがある。症状は人様々だが、知的に問題はないものの、他の人との社会的関係をもつことが難しいのが特徴だ。周りから浮いてしまったり、社会的ルール(暗黙の了解)がわからず素直に「本当のこと」を言ったりもする。想像力に欠けるものの、集中力が高く、機械的記憶力が優れていることも多い。

   岡山の事件では、高校を卒業したばかりの少年が、ショルダーバッグに果物ナイフを隠し持ち、住んでいた大阪府から無差別殺人を目的にJR岡山駅へ。ホームの列の先頭に立っていた假谷さんを線路に突き落とした。犯行動機については不明で、少年は「父親に見放されたと思った」「人を殺せば刑務所にいける。誰でもよかった」と供述したと報道されている。

   この事件はなぜ起こったのか。新聞各紙は08年4月24日付けで、

「岡山地検の簡易鑑定で『アスペルガー症候群』と診断されていたことが分かった」

と一斉に報じた。付添人の弁護士が明らかにしたのだ。殺人事件の報道に障害名を出したものだから、社団法人日本自閉症協会は、いらぬ誤解を生む、障害を持つ当事者や家族を苦しめることになる、と激怒。J-CASTニュースの取材に対し、

   「アスペルガーと犯罪との因果関係ははっきりしていないため、私達は名前を出すのは自粛して欲しいと訴え続けてきた。しかもまだ簡易鑑定の段階だ。一般の人が犯罪に走る率に比べ、障害を持つ人の率は圧倒的に低い」

と話した。仮に、「アスペルガー」であっても、カウンセリングなどを受ければ一般の人と殆どかわりなく生活できるのだという。

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