弁護団の要求はそれ自体が極めて不当
日テレと広島テレビが弁護団宛に提出した抗議文では、「正当な報道活動に対する、重大な侵害行為」とした上で、
「そもそも、弁護士による弁護活動は、社会正義を実現するための、きわめて公的な活動であるはずです」
「被告弁護団の要求はそれ自体が極めて不当なものであり、それを省みることなく、自分たちの意に沿わないものを記者会見から締め出すという行為は、弁護士という公的な立場を私するものであり、断じて認められるものでありません」
と被告弁護団を厳しく指弾している。
そもそも弁護団が広島テレビの会見出席を拒否した理由は何だったのか?J-CASTニュースでは、被告弁護団長の本田兆司弁護士の事務所に連絡したが「出張して一日いない」ということで理由を聞くことができなかった。また弁護団の複数の弁護士との接触を試みたが「一日中外出している」「個別にコメントしない」「取材はお断りしている」などとして、取材することはかなわなかった。
2008年4月22日の共同通信の報道では、弁護団は「(テレビ局の)記者は、取材内容を伝えた上で接見する、と話していた。約束違反だ」などと説明しているようだが、広島テレビの報道担当者はJ-CASTニュースに対し、
「約束は全然ない。そもそも取材に関して弁護団と交渉していない」
と説明しており、弁護団が何を「約束違反」としているのかは謎だ。
しかし、「取材内容を事前に見せる」という要求だけでも不可解だが、もっと不可解なのは、なぜ広島テレビだけにこのような要求をしたのかだ。
元少年に面会・取材して、その内容を放送したのはTBS系列の中国放送(RCC)も同じだが、同局の報道担当デスクも「(取材内容を放送前に見せるという)要求はなかった」と話す。広島テレビも、なぜ同局だけにこのような要求があったのか「わかりません」と述べており、「一方的な取材拒否」に憤慨するのも無理はなさそうだ。