千葉市教育委員会が小中高の生徒に実施したアンケート結果が、教育関係者に衝撃を与えている。「約束やルールを守らなくてもいい」と答えた小学生が全体の11.6%。「電車内で携帯電話を使う」が27.5%だった。同市の教育委員会はJ-CASTニュースの取材に対し「千葉市が特別なのではなく、全国的な傾向だと思う」と話している。
「約束やルール守らないでいい」が11.6%
千葉市の教育委員会は、市内小中高生の意識調査を発表した
このアンケートは、千葉市が2008年度末をめどに策定する「学校教育推進計画」のための基礎調査として実施。小学生への調査では、市内各区三校ずつ計18校の5年生約5百人に07年9月から10月にかけて聞いている。
それによると、小学生のマナー意識では、「約束やルールを守らない」ことを「別にかまわない」と答えたのが11.6%、「電車の中で騒ぐ、床に座り込む」が6.7%、「電車内で携帯電話を使う」が27.5%、「注意されると無視、反抗する」が7.3%、「友達の悪口を言ったり、いじめたりする」が5・3%、「遊ぶために夜遅く出かける」が11.8%だった。また「こんな大人になりたい」では、複数回答にもかかわらず「社会の決まりを守る人」が17・2%、「人を思いやる心を持った人」は28.1%にとどまった。
一方、小中学校36校の保護者約1000人にも調査を行った。学校に期待するのは「子供に道徳観や社会のルール・マナーを身につけさせる」で、82.5%(複数回答)であり、子供のルール・マナーについては学校に依存していることがわかる。
また、同時期に行った教育委員会の別の調査では、給食費について、小中高生の保護者(1020人)のうち、「払うかは個人の自由」「義務教育だから払わなくてもいい」が合計で1.2%いた。「モンスターペアレント」が問題になる中、学校に対し「無理難題な要求でも多少なら良い」「無理難題な要求をしても良い」と答えたのは合計で6.7%だった。
「結果は全国的な傾向だと思う」
こうした一連の結果について地元紙の千葉日報は08年4月22日付けで、
「保護者はモラル指導を学校に求めながら、給食費未納やモンスターペアレントに『理解』を示すなど、家庭でのモラルハザードがあらためて浮き彫りになっている」
と分析している。
同教育委員会はJ-CASTニュースの取材に対し、このアンケートはこれからの学校の方向性を考える上で、実態を知るためにアンケート調査した、とし、
「結果に対し、保護者の責任を指摘する声もあるが、多くの保護者はきちんと学校や子供と向き合っている。千葉市が特別なのではなく、このアンケートと結果は全国的な傾向だと思う」
と話している。