石炭需要はまだ増える
石炭の需要は世界的に増えている。中国は02年度に年間約15億トンだった消費量が07年には25億トンに膨れた。「国内で需給をまかなっているので、世界的な影響は限定的」(JFEスチール)との見方があるが、「これまで輸出国だった中国が、国内需要の高まりで輸出が減った。それだけでも市場への影響は大きい」(JCOAL)と指摘。さらには、中国ではこの冬の雪害の影響もあって、「国内だけでは間に合わなくなっている」という。
世界第2位の石炭消費国である米国では、火力発電に多くが利用されている。最近は地球温暖化防止を理由に石炭を敬遠する向きもあるのだが、CO2排出量の少ないとされる原子力発電の稼働が充分でないことや、原油高の影響で、発電コストが安い石炭頼みになっている。この傾向は、日本でも同じだ。
ここ最近の石炭価格(電力炭)は1トンあたり120米ドル強で推移。JCOALは、「だいぶ、緩んでいきているが、高止まりともいえる」とみている。需要が旺盛な中国やインドが確保に乗り出していて、まだまだ高値は続きそうだ。