母子殺害元少年の「理解不能」発言 「死刑制度認める、でも死刑になりたくない」

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   山口県光市の母子殺害事件で、死刑判決を受けた元少年(27)が「僕は死刑存置主義者」と死刑制度を認める一方、「判例になる以上、死刑は受けたくない」と述べていたことが分かった。遺族に「怒りを通り越して失笑した」といわれた新供述を展開して死刑を逃れようとした被告側だが、今回の「死刑発言」もなかなか分かりにくい発言だ。

「ほかの少年少女の事件にも大きく影響するんですから」

   山口県光市で1999年に母子が殺害された事件で、殺人や強姦致死などの罪に問われた元少年の被告(27、当時18)の差し戻し控訴審判決が2008年4月22日に開かれ、広島高裁(楢崎康英裁判長)は無期懲役とした一審・山口地裁判決を破棄し、死刑を言い渡した。楢崎康英裁判長は判決のなかで、本村洋さんの妻・弥生さんを死後に乱暴したことを「生き返ってほしいという思いからの『復活の儀式』だった」とした新供述について「信用できない」としたほか、「むしろ被告人が虚偽の弁解を弄するなどしたことにより、死刑の選択を回避するに足りる特に酌量すべき事情を見出す術もなくなったといわざるを得ない」と述べた。被告の弁護団は判決を不服として再上告した。

   判決に先立つ08年4月3日、TBS系のJNNが元少年の被告に面会・取材していたことがわかった。JNNによれば、「死刑もやむを得ないと思う?」という記者の問いに対し、元少年は

「はい。僕は死刑存置主義者ですから。終身刑も検討して欲しいと思っていますけどね。ただ判例として僕が死刑になるのは避けたい。ほかの少年少女の事件にも大きく影響するんですから」

と答えたという。また、「どんな判決を望んでいますか?」という問いに対しては、

「判例になる以上、死刑は受けたくない」

と語ったというのである。少年は、「死刑判決はやむを得ない」としながらも、将来死刑判決を受ける人のことを考えると「先例になるから受けたくない」ということだったらしいのだ。

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