演歌歌手・吉幾三さんのヒット曲「俺ら東京さ行ぐだ」が、2008年4月頃から、投稿動画サイト「ニコニコ動画」や「ユーチューブ」に大量にアップされるという「異変」が起こっている。宇多田ヒカル、Perfumeらとコラボされ、相当笑える曲が多い。
「俺ら東京さ行ぐだ」が「ラップ」の役割
フィルハーモニー交響楽団と共演している歌もアップされている
「『俺ら東京さ行ぐだ』ど『もってげ!セーラーふぐ』のカラオゲどご合わせでみだ動画だんす」
「ニコニコ動画」には、こんなタイトルを掲げた160以上の「俺ら東京さ行ぐだ」関連の楽曲がアップされ、中にはアクセス16万以上といるものまで出ている。投稿者達は他の歌手の曲に『俺ら東京さ行ぐだ』を「ラップ」の役割でミックスしている。最近、日本の音楽シーンでは、歌とラップをコラボさせる曲が増えているが、おそらくこれもその流れの一つなのだろう。
しかも、「俺ら東京さ行ぐだ」がラップとして「優秀」なため、「スンクロ率441.93%」(シンクロ率・吉幾三)などと評判になっているのだ。組み合わせは宇多田ヒカル、Perfumeや、「らき☆すた」などアニメのテーマソング。交響楽団演奏と合わせたものまで出ている。
アップされている曲はかなり笑えるものが多く、「ニコ動」のコメント欄には、
「腹筋がやべぇwwwww」
「だめだw毎日聞いてしまうwww」
「幾三wさすがだw宇多田に負けてねぇwww」
などと絶賛したコメントが並んでいる。
どんな曲でもマッチしやすい
ネット上で『俺ら東京さ行ぐだ』のミックス曲が注目されて始めたのは07年暮れから。歌詞の内容が面白く、どんな曲でもマッチしやすいことがわかったため大量に投稿されるようになっていった。投稿された画像には、吉さんの農作業姿を使っていて、ボーカルアンドロイド「初音ミク」を掛け合わせ、「俺ら・・・」は「農家ロイド」と呼ばれたりもする。
『俺ら東京さ行ぐだ』が発売されたのは1984年。吉さん自身この曲について、
「アメリカのヒップホップを参考にした。日本で初めてラップのヒット曲を出したのはオレ」
と発言していた。ヒップホップの人気が衰えないとはいえ、25年も前のこの曲が、現在のヒットソングと合うというのは驚きだ。