米国では、大半が遺伝子組み換えトウモロコシになる
さらに4月17日には、08年6月に各国首脳級を集めた「食糧サミット」を開催する方針を決定。4月20日には、潘基文(バン・キムン)事務総長が、訪問先のガーナで
「適切に対応しなければ、この食糧危機が世界の経済成長、社会の進歩、さらには世界中の政治的安全保障に影響するような多面的な問題に発展する可能性がある」
と警告している。
もっとも、日本ではまだこれといった騒動は起きていない。ただ、「対岸の火事」という訳ではない。トウモロコシ価格の高騰を受けて、コーンスターチ最大手の日本食品化工は08年2月から遺伝子組み換え(GM)トウモロコシの輸入を始めた。同社がトウモロコシの全量を仕入れる米国では、作付されるトウモロコシの大半がGMトウモロコシになる見通しで、安定供給を優先させた形だ。
GM食品は、非GM食品よりも比較的価格が安いとされるが、一部では安全面での不安を指摘する声もある。同社以外にも、GM食品導入を進める動きがあり、国内で議論が広がる可能性もある。