2009年全面改良を迎える「レガシィ」も課題
グローバル化と環境・安全技術の高度化で自動車メーカーの研究開発の仕事量は膨張している。富士重も北米向けにクロスオーバー車「トライベッカ」を投入し、国内で手つかずだったミニバン市場には水平対向エンジン搭載の新型車を導入する。欧州の拡販に不可欠なディーゼルエンジンを水平対向で今春実現し、次世代の水平対向エンジンとこれにフィットするCVT(自動無段変速機)と車台を開発…と、ざっと見ても果たしてこなせるのかという疑問がわくほどだ。
今となってはスバルの生き残りには選択と集中が不可欠だったことは容易に理解できる。「R2」「R1」がヒットしていれば、という仮定は意味を持たない。
今後は2009年フルモデルチェンジを迎える「レガシィ」を始めとする水平対向エンジンのスバル車と、共同開発の小型FRスポーツカーで成功を収めることが自動車業界でポジションを確保するうえで最低限の条件になる。水平対向エンジン搭載のFR車のアイデアはユニークで、新たな小型スポーツカーの世界を開くチャンスといえる。スバルファンのみならず世界の車好きの期待に応える車づくりが求められている。