かつて風俗の代表格だったストリップ劇場が、「絶滅の危機」に瀕している。過去4年間で3分の1に減り、さらに「経営がきつい」と漏らす劇場が相次いでいるからだ。もうその役割は終わってしまったのか。
お年寄りが客の中心
小澤マリアさんの公式ブログ
「今は、お年寄り客が中心のストリップ劇場になっているんですよ」
38年の歴史がある東京・渋谷の「渋谷道頓堀劇場」のスタッフは、こう明かした。スタッフによると、今の若者が向かうのは、インターネット上の無修正動画やデリバリーヘルス。わざわざ家から足を運ばなくてもいいからだ。
劇場は、バブル崩壊前の昭和50~60年代が人気のピーク。スタッフは、「特にここ10年来、低迷していて、いい時期がありませんね。現状はきつく、劇場を閉めるぎりぎりでしょうね」と溜め息をついた。
警察庁によると、ストリップ劇場などの店舗型性風俗特殊営業3号の店舗数は、07年が180店で4年前の3分の1に激減した。これは、06年5月の風営法改正で、公安委員会への届け出要件が厳しくなったことが大きい。また、前出のスタッフが明かしたように、ほかの性風俗に客が流れた影響もあるようだ。
このスタッフによると、全盛期には、癒しやロマンを求めて、ストリップ劇場に若者が殺到。立ち見でも入れないぐらいフロアがあふれた。しかし、週刊誌にヘアヌードが載り、ファッションヘルスなど新しいタイプの性風俗店ができると、次第に客足が遠のいていった。
劇場側も、小林ひとみ、桜樹ルイといったアダルトビデオ俳優に出演してもらい、客離れ防止に動いた。が、風俗産業間の価格競争は激化し、高額なギャラが採算に合わなくなった。本番行為の生板ショーや不法滞在の外国人ダンサー出演に手を染める劇場もあり、その後の摘発で次々に閉店に追い込まれた。
苦しいのは、地方にある温泉地などのストリップ劇場も同じだ。福井県の「あわらミュージック劇場」の支配人は、「お客さんは、バブル期の半分に減りましたね。キャバクラなどが増えたり温泉客が減ったりしたのが原因でしょう。昔は、石川県の山中、山代温泉から大挙してタクシーで乗りつけてきたんですが…。今は、若い女の子をそろえて、既存客を大事に商売しています」と話す。