大阪府が歳出削減案を発表したことを受けて、府内市町村からは猛反発の声が上がっている。首長から「ルール違反だ」など厳しい声が相次ぎ、橋下知事が涙を流して理解を求めたが、首長たちは「芝居じみている」などと冷ややかだ。一方、「役所の外」では、橋下知事に対する支持が圧倒的だ。どうしてなのか。
「この際、無責任なたたき台は白紙に戻しなさい!」
ネット上の「支持率」は77%だ
府内自治体の首長と橋下徹大阪府知事とが意見交換を行うための会合が2008年4月17日開かれ、代理出席の堺市と高槻市を除いた41市町村の首長が集まった。08年度予算では、貸付金を含めると、府から市町村への支出金は3357億円を予定していたが、府の改革プロジェクトチームが(PT)79億円削減する方針を示したことから、各首長から知事への不満が爆発した。
大阪市の平松邦夫市長が口火を切り、
「(市区町村の)負担を引き上げるのであれば、具体的にどのくらいになるのかを示した上でお願いすべき」
と主張。首長はマイクを回しながら、約1時間にわたって次々に不満を口にした。
例えば守口市の西口勇市長は
「『子どもが笑う大人が笑う』。どこが笑うんですか!こんなことやっちゃったら、泣いて苦しみますよ」
と、知事の選挙運動時のキャッチフレーズを引き合いに出して非難する一方、摂津市の森山一正市長は
「この際、無責任なたたき台は白紙に戻しなさい!」
と「命令」してみせた。
批判にさらされた知事は、最後に
「人件費が高すぎる。人が多すぎる。一緒になって考え、今一度ご協力のほど、宜しくお願いします」
と、声をうわずらせ、涙を流して訴えた。こんな状況に対して、首長側から「知事いじめをしているのではない」と、一応のフォローをするかのような声もあがったが、
「あれ(涙)がホンマもんなら、かなりの役者と思う」(能勢町・中和博町長)
「あれ(涙)を映されたら、我々市長は悪者ですよ。そんなバカな話はない」(守口市・西口市長)
といった厳しい声が目立った。