家庭ごみの有料化に伴ってコンビニエンスストアは悲鳴を上げている。店外に設置されたごみ箱に家庭ごみを捨てる人が急増、これが全国的な現象になっている。
新潟県上越市では2008年4月から有料化を実施した。市民は専用袋を購入し、その袋にごみを入れて捨てることが義務付けられた。「家庭ごみの分量が増えたので、処理費用の20%を市民に負担してもらう」と市は説明している。
注射針や古タイヤも捨てられていた
コンビニのごみ箱に家庭ごみを捨てる人が増えている
上越市内の「セブン-イレブン」では、有料化後に可燃ごみの量が平均で1.5倍、なかには2倍に増えた店もあるという。おむつや生ごみといった家庭ごみや、注射針や古タイヤも捨てられていた。「被害」にあったオーナーらは「サービスの一環で設置しているが、これはあまりにもひどい」と、4月15日に「セブン-イレブン」35店舗からなる「上越地区オーナー会」の臨時総会を開き、対策を協議した。
コンビニの場合、処理費用はごみ回収業者に定額で支払っているが、「量が増えれば、値上げされるかもしれない」と不安の声が上がった。一方で、ごみ箱を店内に移した店舗では、量は3分の1に減ったが、客足が遠のくことも懸念された。
セブン-イレブン・ジャパンの広報担当者によると、家庭ごみが有料化された他の地域でも同様の現象が起こっているという。「全国のオーナーから相談が寄せられているが、これ以上騒ぎになることは避けたい」と詳細については回答を控えた。
04年10月から家庭ごみが有料化された北海道帯広市ではこんな具合だ。各コンビニは店に「家庭ごみを捨てないでください」と書いた張り紙をし、ちらしを配るなどして自衛策を打っている。
しかし、同市内にある「ローソン」では、
「今でも捨てる人は絶えない。買い物袋1~2つに入れて、夜間にそっと捨てにくる」
と、家庭ごみの「不法投棄」は止む気配がない。