TBS系の人気アニメ「コードギアス」の次回第3話の一部が、放送前にネット上へ流出したことが分かった。第3話の最後の場面とみられる約6分間がユーチューブなどに投稿されており、その経緯が噂される騒ぎになっている。放送前番組のネット流出について、民放連の関係者は「聞いたことがない」と話しており、前代未聞の事態となっている。
「誤操作でネット上に映像を公開」
ユーチューブに投稿された「コードギアス」次回作の1場面
このアニメは、06~07年にかけてテレビ放送され、大ヒットした「コードギアス 反逆のルルーシュ」の続編「R2」だ。2008年4月6日から、毎日放送(大阪市)を通じて全国配信され、TBS系で毎週日曜日午後5時スタートで放送が始まった。ストーリーは、神聖ブリタニア帝国の捨てられた皇子ルルーシュが、謎の少女C.C.から絶対的な力「ギアス」を与えられ、帝国の植民地となった日本を救うべく「黒の騎士団」を率いて帝国に戦いを挑むというもの。
今回、流出したのは4月20日放送予定の第3話「囚われの学園」。その最後の場面約6分間が、4月15日ごろにユーチューブに投稿されたとみられ、その後ほかの動画サイトなどにも次々に転載された。ユーチューブの投稿動画は、このアニメを制作した「製作委員会」メンバーのサンライズが「著作権法上の権利が侵害された」と申し出て、ほとんどが削除されている。現在は、中国のサイトにアップされているぐらいだ。
番組の一部が流出したのは事実なのか。
コードギアスの配信を手がけているバンダイチャンネルの清水毅副社長は4月16日、J-CASTニュースの取材に対し、「(流出は)事実として確認済み」と認めた。流出の経緯については、清水副社長は、「社内の担当者が、不正投稿防止のためにパソコンでテストしていたところ、誤操作してネット上に公開してしまったということです。結果的に、誰かに映像を抜かれることになってしまいましたが、どのような経緯で抜かれたかは調査しています」と説明する。今のところ、これ以外に流出したファイルは確認されていないといい、同日中にも自社ホームページで事実関係を伝えるとしている。
流出は「聞いたことがない」と民放連関係者
民放連の関係者は、J-CASTニュースに、「放送前に番組そのものがネットに流出するというのは、私どもは聞いたことがありませんね。放送直後にネットに番組録画が流れることに頭を悩ませていますが…」と驚く。この関係者は、「アニメは特殊で、通常はテレビ局では作っていません。アニメ以外では、こうしたことは考えにくい」とも指摘した。
放送が始まった「コードギアス 反逆のルルーシュR2」は、4月6日の初回放送の視聴率が、関東地区で3.0%、次回放送が同2.6%だった。前作は、07年の再放送でも平均視聴率が4.0%を記録したため、2ちゃんでは、「ネットでは大人気なのにな、、、直接みる層は少ないって事か」などと話題になった。それだけに、今回の流出について、「関係者による話題作りのための自作自演ではないか」との声も出ていた。
コードギアスの製作委員会では、前作がネット配信され、視聴者が8か月で120万人を超えるほどの反響だったため、今回もネットに力を入れている。公式サイトや公認クチコミサイトを開設したほか、NECビッグローブ運営の別サイトで、放送後に一定期間を置いて、番組動画を無料配信することにしている。しかし、ネットで最近、テレビ番組の不正利用が多発しているとして、初回放送開始直後の字幕表示で「番組を権利者の許可なくインターネットなどを通じて配信したりすることは法律で禁じられております」と注意を促す異例の呼びかけをしていた。今回は、内部から「配信」してしまった形で、なんとも皮肉な結果になった。