メタボ(メタボリックシンドローム)にならないためには、普段何を食べたらいのか。そんな悩みを持っている人に「朗報」になりそうな研究が発表された。「カレーに入っているスパイスがメタボ予防につながる」という内容で、「あるスパイス」の血糖値低下作用が世界的に注目されているというのだ。
「スパイスが血糖値と脂肪肝を抑制する」
カレーのスパイスについて語る河田照雄教授(左)とミラ・メータさん(右)
2008年4月から特定健康診査の対象となったメタボリックシンドローム。食生活を見直しに関心が集まる中、カレーに含まれているスパイスがメタボ予防に有効とする研究が08年4月16日に都内で発表された。
「カレーに含まれるスパイス・フェヌグリークがメタボ予防につながる」と述べたのは京都大学大学院農学研究科の河田照雄教授。同教授によれば、
「フェヌグリークは、肥満に伴う血糖値、血中性脂肪の上昇を抑制する。さらに、非常に驚いたことに、脂肪肝も抑制することが認められる」
というのだ。
マウスを用いた実験結果では、フェヌグリークを摂取したマウスで体重の低下傾向が見られ、白色脂肪組織重量の低下傾向と肝臓重量の低下に起因することが推察されたという。さらに、血糖値や血中中性脂肪値の有意な低下も見られ、フェヌグリークはメタボ予防効果を持っていることが示されたというのである。
また、カレーに多く含まれるターメリックは脂肪分解を促す酵素をつくりだすため、抗肥満効果があることがすでに明らかになっている。河田教授によれば、トウガラシにもこれと似た効果がある可能性もあることから、あらゆるスパイスが含まれたカレーには、メタボ予防の観点から、科学的に注目すべき食べ物ということになるのだそうだ。
また、インド料理研究家のミラ・メータさんも「インドでは毒素をためないためにスパイスを使う」と指摘。
「日本では病気にかかったらすぐに薬を飲むといったように考える人も多いかもしれませんが、体にすぐ入れるのではなく(インドでは)悪いもの体からを出すためにスパイスを毎日使っています」
と述べている。インドではスパイスが毒素を排出するなどの理由で、健康のために使われており、カレーは健康食として食べられてきた、というわけである。