米スターバックスコーヒーが「アイデア募集サイト」を開設したところ、300件以上ものアイデアが寄せられ、10件以上のアイデアが実際に採用された。日本法人も「同じスターバックスとして注目している」と言っている。新しいインターネット活用として注目されそうだ。
ユーザーからのアイデアに投票30万以上
米スタバの「アイデア募集サイト」が好評だ
米スタバが開設したのは「スターバックス アイデア(My Starbucks Idea)」。同社の株主総会で提案され、2008年3月中旬に公開された。業績好転を目指して、一般ユーザーからアイデアを募るというものだ。ログインすると、スタバ向けの新しいアイデアを投稿できるほか、いいアイデアには投票できる仕組みになっている。これにはコメント機能もついており、それぞれのアイデアにについて議論できるようになっている。米国では、コミュニティサイトやSNS的なサービスとして受け入れられているようだ。
2008年4月14日現在までに、同サイトには300を超えるアイデアが投稿された。これまでの投票数も30万票を超えたようだ。
最も人気を集めているのは、「21世紀型カフェ文化」。アートやイベントについての会話を無線を使った新しいメディアを活用して、客同士が交流するというものだ。かつてヨーロッパにあったカフェ文化の現代版。20世紀のパリで芸術家や作家、哲学者などがカフェで語り合い、文化の興隆に一役買った。スタバが新しい文化を育てる場所になれば、という客の期待があるのだろう。
このアイデアは現在までに約5万4000票を獲得。「いい会話はスタバのイメージを変えるものだ」「とてもいいアイデアだ」といったコメントが600件以上寄せられている。そのほか、「誕生日に飲み物無料」(約4万2000票)、「購入数に応じて飲み物が無料になる回数券の導入」(約4万7500票)といったアイデアも好評だ。
「無線LAN」「オートメーション注文」などのアイデアが「採用」
実際にスターバックスに採用されたアイデアもある。同社によれば、来店前に注文して、客が店に着く頃に飲み物ができている「オートメーション注文」、マドラーとのみ口のフタが一体化した「スプラッシュ・スティック」、一口サイズのパン菓子や店舗内での無線LANシステム(Wi-Fi)の提供など、10件以上のアイデアがこれまでに採用されたという。
一方、日本のスタバの業績は、08年2月5日に発表した07年4~12月期の決算で、経常利益は55億6700万円、前年同期比55%増と、米国に比べてかなりの好調。テコ入れの必要性に迫られているようには見えないが、米スタバのアイデアに「大注目」といったところだ。
スターバックスコーヒー ジャパンの広報担当者はJ-CASTニュースに対し、「日本での展開は未定」としながらも、
「同じスターバックスとして注目しています。最初にスタートした時点で数百件のアイデアが寄せられたと聞いており、ブログ的な位置づけを超えて、本当にいい声を吸い上げていこうとしていますからね」
と話している。