ユーチューブで「日本に来たい!」と訴えていた謎のアメリカ人女性「マギボン」が、念願通り初来日を果たした。そして、動画サイト「ギャオ」の番組、TBSラジオに出演するなど、日本のメディアにデビューしたのだ。本人は芸能界入りを望んでいるようだが、素顔が明らかになると、ネットでその是非を巡って論議になっている。
ギャオの動画で矢口真里さんと対談
ギャオ内に開設されたマギボンさんの特集ページ
「彼女はナニ物なんだ?」。マギボンさん(21)は、ユーチューブの投稿動画で、アメリカ人なのに日本語で「私は行きたい、ずっとずっと行きたい。ニポン」と訴えた。そのことが謎めいていたため、J-CASTニュースが2008年1月28日付記事で紹介した当時、大きな話題になった。マギボンさんの投稿は、その時点で39本にも上り、中には150万アクセスを記録したほどの人気者ぶりだった。
その人気に目をつけたのが、IT企業のUSEN。連絡先が分からないため、ユーチューブの投稿動画で「ギャオ」への出演を呼び掛け、気づいたマギボンさんがOKした。その後、スタッフが渡米して、自宅インタビューなどの番組6本を制作。それが好評だったとして、マギボンさんに依頼して4月7~13日の日程で来日してもらった。
「原宿、浅草を初めて訪れ、大喜びしていましたね。原宿が一番好きだそうで、興奮して買い物をしていました。『アメリカに帰りたくない』『日本に住みたい』とも話していました」
同行したUSEN第3メディア局の編成担当者は、J-CASTニュースの取材にこう答えた。10日には、大ファンだという元モーニング娘。リーダーの矢口真里さん(25)との対談番組に生出演。ヘッドフォンにピンク色のアイマスクという姿で登場し、アイマスクを外され、矢口さんと向き合うと、悲鳴を上げ、「アイ・ラブ・ユー」と涙ぐみながら矢口さんと抱き合った。
番組では、まだ片言の日本語も披露し、「日本の皆さん、こんにちは、マギです」「(日本語は)日本のドラマと音楽で勉強した」と明かした。音楽では、ロックバンドの「GLAY」が好きだという。ただ、なぜ日本を好きになったのかについては、「分かんない」と話した。矢口さんは、「目が印象的。吸い込まれそう」と感想を口にし、「ユニットを組もうか」と持ちかけていた。
芸能界入りには懐疑的な書き込みも
次第に素顔が明らかになるマギボンさんに、ネットでは様々な声が寄せられている。ギャオの番組レビューやマギボンさんのブログ「マギの夢の道」を見ると、「おめでとう、よかったねぇ つぎつぎに夢がかなうねぇ」「バラドルとして、十分いけると思う」といった応援メッセージが相次いだ。
ところが、「謎の美少女」「第2のリア・ディゾン」などと噂されただけに、2ちゃんねるでは、アイドルとしての容姿の是非が論議の的だ。「マギのように猫背になるとアゴを突き出す表情になりがち」「歯並び気にしてる」といった書き込みがあり、芸能界入りには懐疑的な指摘が多い。
USENでは、4月12日に「マギボンを囲むファンの集い」を予定していたが、嫌がらせや妨害と受け取れるメールなどがあり、警備上の理由から中止にしたという。2ちゃんでは、「『ファン』がまったく集まらなかったからでは?」との書き込みがあったが、USENの担当者は、そのことは否定した。
マギボンさんは、ネットでの書き込みをどう思うのか。USENの担当者は、
「アメリカでも、2ちゃんねるに自ら書き込んでいたので、見ちゃうのかなと思います。一時期は中傷で落ち込んでいたようですが、勇気付けられるものもあるので、前向きに考えるようにしているようですよ」
と話す。
この担当者によると、本人は日本の芸能界入りを望んでいるという。マギボンさんも番組内で、日本で仕事をしたいかとの質問にうなずいている。USENでは、マギボンさんには、今後、08年中にギャオの番組に1、2度出てもらう予定。担当者は、芸能プロダクションから、マギボンさんへの直接交渉がいくつかあるとも明かした。
アメリカでのマギボンさんは、一時スーパーのレジ打ち係のアルバイトをしていたが、今は何も仕事をしていないという。家でユーチューブの動画を制作し、ネットに夢中になっているといい、日本デビューを夢見て準備をしているのかもしれない。