ローソンの100円「稲庭うどん」 イメージダウンと地元組合反発

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「稲庭うどん」で申請したが、なかなか許可が出ない

   こうした行き違いが生じた背景には、「稲庭うどん」が商標登録されていないこともある。その使用が縛られないため、どんな業者が「稲庭うどん」と主張してもおかしくないからだ。

   稲庭うどん協同組合のホームページを見ると、「四国の讃岐うどん、名古屋のきしめんとともに日本三銘うどんの一つ」とある。讃岐うどん、きしめんも商標登録されていないが、同じような問題が出ているのだろうか。

   香川県のさぬきうどん協同組合の大峯茂樹理事長は、「コンビニなどの大手企業では、模造品のケースは聞いたことがありませんね。しかし、怒ってもきりがないのですが、東京で勝手にブランドを使われているのではないかとの危機感はあります」と話す。

   同組合では、ブランドを守ろうと、06年4月から始まった地域団体商標制度を前に、「讃岐うどん」「さぬきうどん」「サヌキうどん」で特許庁に登録を申請しようとした。が、普通名称に近いなどと、難色を示されたという。

   名古屋のきしめんはどうか。同市製麺協同組合では、「今のところは聞いていませんが、粗悪品がある可能性はありますね。『きしめん』では難しいので、『名古屋名物きしめん』などで地域団体商標に申請しました。どうなるのかと気になっています」と話す。

   稲庭うどん協同組合でも、ブランドを守ろうと、06年8月に地域団体商標名「稲庭うどん」で申請したが、なかなか許可が出ず、07年10月に取り下げた。しかし、同じ名かどうか決まっていないものの、08年度中に再申請するという。組合の佐藤専務理事は、「類似品がずいぶん出回っており、法的根拠がなくても、なんとか対応しないといけない」と危機感を募らす。

   コンビニ業界も、伝統食品との関係づくりに四苦八苦しているようだ。香川県農業生産流通課では、「大手コンビニ3社から、讃岐うどん商品の販売を検討しているという話を聞きました。賞味期限の関係があるので今まではコンビニの商品がありませんでしたが、差別化を図ろうと、各社とも高級志向のものを狙っているのでしょうね」と話した。

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