チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が来日し、記者会見で「中国がオリンピックを開催することを支持します」などと述べた。日本へは米国に向かう途中に立ち寄ったもので、滞在時間は10時間ほど。政府関係者は面会しなかったが、意外な人物が会っていた。安倍晋三前首相の昭恵夫人だ。一体なぜなのか?
日本政府関係者はいっさい面会せず
ダライ・ラマ14世は2008年4月10日早朝に来日し、午後5時ごろに米シアトルへ向けて出発した。同日午後に行われた会見のなかで、ダライ・ラマは、「中国がオリンピックを開催することを支持します」と述べ、世界各地で聖火リレーが妨害行為を受けていることについて「あらゆる暴力的な行為はやめてください」と訴えた。
同日午前中の会見で町村信孝官房長官が「政府関係者が面会する予定はありません」と述べるなど、中国からの反発を考慮してか、日本政府関係者はいっさいダライ・ラマと面会することはなかった。この会見の前に面会していたのが「アッキー」こと安倍前首相の昭恵夫人。テレビや新聞報道では、安倍前首相がインド政府に働きかけて実現したとも、日本全体が人権問題を軽視しているわけではないことをアピールするためとも報じられているが、なぜダライ・ラマ14世と面会するのが昭恵夫人なのか、理由は不明だ。
ダライ・ラマが滞在するホテルで報道陣にもみくちゃにされた昭恵夫人は、面会の事実を聞かれると「はい、そうです」と答えたものの、「すいません、ごめんなさ~い」と述べるにとどまった。面会後も「(チベットの情勢を)大変心配していますということを…」と述べるだけで、面会に至った経緯や、具体的に何が話し合われたかについては明らかにしなかった。