美少女キャラ車体に描く 「痛車」が20代前半に大うけ

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   自動車のボディに、アニメやゲームの美少女キャラを描いた「痛車」が大人気だ。ネットでは「ミクシィ」に多くのコミュが作られ、動画サイトには大量の映像がアップ。2008年3月には専門の雑誌も創刊された。「痛車」のオーナーは20代前半が中心で、ここでは若者の自動車離れなど感じさせないのだ。

「ミクシィ」に250もの「痛車」コミュ

「ユーチューブ」でも、関連動画が大量に公開されている
「ユーチューブ」でも、関連動画が大量に公開されている

   「痛車」は、好みのキャラやアニメの登場人物をカッティングシートやステッカーで製作して車のボディに貼り付けたり、直接エアブラシ塗装で描いたりする。また、マグネットを使って脱着しているものもある。10年ほど前からコスプレ感覚で「コミックマーケット」などに乗り入れる車があったが、街で目立つようになったのがここ1、2年。ちなみに「痛車」という名前は、独特のデザインで知られるイタリア車「イタ車」と、オタクや風変わりの人を呼ぶときに使われる「痛い人」をかけたもの。車だけでなくバイクを装飾した「痛単車」、自転車を装飾した「痛チャリ」というのも現れている。

   「ミクシィ」で「痛車」のコミュが増え始めたのが06年5月頃から。現在は「痛車」で検索すると250ものコミュが現れる。「痛車オフ」コミュには900人近い人が参加。「痛車」イベントの告知が行われたり、自ら装飾した「らき☆すた」「ローゼンメイデン」「初音ミク」などのキャラを装飾した車が披露されたりしている。

使われる人気キャラが深夜枠のアニメ

   人気上昇を受ける形で、芸文社は08年3月26日に「痛車」210台を掲載した専門誌「痛車グラフィックス」を創刊した。同誌編集部によると「痛車」のオーナーは車好きな20代前半が中心。従来の車好きはチューンアップして走りを競ったり、自分好みにカスタマイズしたりしていたが、そこに、「外観を美少女キャラで装飾し楽しむ」という流れが生まれた。「痛車」に乗って目立ちたい人、純粋にアニメやキャラが好きな人と様々だが、使われる人気キャラが深夜枠のアニメである場合が多く、それを支えているのが20代ということらしい。

   同編集部はJ-CASTニュースに、

「彼らは騒音を出すわけでもなく、暴走するわけでもなく『上品に』車を楽しんでいます。若者の車離れ、と言われていますが、こんなふうにして盛り上がっている分野もあるんです」

と話した。この「痛車」ブームはこれからも加速していく、と見ていて、

「派手な装飾ものはそれほど増えないと思いますが、『プチ痛車』と呼ばれるワンポイントのステッカーを貼ったような車は相当増えてくるのではないでしょうか」

と予測している。

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