国内炭の使用量が大幅に増える可能性はない
北海道電力も06年度の70万トンから07年度は110万トン(推定値)に国内炭の使用量を増やしたが、08年度は「前年度と同程度の見通し」(広報部)という。コストが多少安いからといって、即、国内炭の使用量が増える、ということではないらしい。「契約期間、価格、安定供給、発電所の稼働状況など総合的に判断している」(同)からという。
資源エネルギー庁石炭課によれば、06年度の石炭の輸入量は約1億7916万トン。国内生産量は約132万トンと、国内炭使用の比率は1%未満というのが現状だ。
石炭エネルギーセンターは、J-CASTニュースの「今後、国内炭の使用量が大幅に増える可能性があるのか」という問いに対し、「炭鉱開発には、環境面や自然の状況もある。人材も減っているため、供給能力という点では難しい」と説明する。
ある石炭業界関係者も、三菱マテ以外に海外炭から国内炭に切り替えた企業は聞いたことがない、とした上で、
「三菱マテリアルが使う国内炭はたった2万トン。船の1杯分にもならない。仮に鉱山が新たに開発されても、1つの山で石炭が出るのは年間10万トン程度。外国の石炭に頼るという構図は変わりようがない」
と話しており、「国内炭への回帰」とは程遠いというのが現状だ。