中高生の喫煙を黙認したとして、その親が書類送検されるケースが相次いでいる。「書類送検とは行き過ぎではないか」という声も出ているが、警察側は「法律違反であり、社会に警鐘を鳴らすために、微罪でもあえて記者発表した」としている。
「外で吸われると体裁が悪いので買い与えた」
「喫煙容認」が問題化している(写真はイメージ)
毎日新聞(2008年4月2日付け)によると、パート従業員の母親(37)が高校1年の長男(16)の喫煙を黙認していたとして、広島県警福山西署が08年4月2に母親を未成年者喫煙禁止法違反容疑で書類送検した。助手席で喫煙している男性の顔が幼く、運転していた母親らを職務質問したところ、未成年だとわかった、というもの。母親は黙認の理由を「注意しても聞かないので、学校にばれなければいいと思った」と話したという。
このように、喫煙を黙認する親が書類送検されるケースが07年から広島、神奈川、宮城などで相次いでいる。理由は様々で、高校2年の長男(16)にタバコ1カートンを買い与えていた呉市の母親(43)は、
「『外で吸われると体裁が悪いので買い与えた』などと供述しているという」(中国新聞07年6月2日付け)
中学3年の長男(15)の喫煙を黙認していた平塚市の母親(40)は、
「『怖くて注意することができなかった』と供述している」(読売新聞07年4月19日付け)
16歳と13歳の息子2人にたばこを与えていた名取市の母親(45)は、
「『万引されるよりは、買って与えた方がいいと思った』と話しているという」(河北新報07年10月11日付け)
などと書かれている。
「社会に警鐘を鳴らすために記者発表した」
未成年者の喫煙は法律違反だが、その親が書類送検されていることについて、ネット上の掲示板やブログでは様々な意見が出ている。「書類送検は行き過ぎ」という声も多くあり、
「親の責任を法的に問うこともできる。でも他に指導できたはずだ」
「これはちょっと可哀想だろ」
「虐待に比べりゃ些細なこと」
もっとも、警察はいい仕事をしていて、今後も未成年の喫煙容認者を取り締まればいい、という意見もある。
母親を書類送検した広島県警はJ-CASTニュースの取材に対し、親が子供の喫煙を黙認しても「微罪(科料)」であり、本来なら記者発表する事案ではないが、今回は「社会に警鐘を鳴らすため」に記者発表した、と説明した。
「法の違反があれば取り締まるのが私達の仕事。親は子供を育て、教育していくという、責任をもっと認識してほしい」
と話している。