日本テレビが巨人へ異例とも言える注文
視聴率が低迷すれば、まず影響が出るのがテレビ局だ。
巨人戦中継に力を入れてきた日本テレビは、07年シーズンに、当初予定していた63試合から40試合の中継に削減した。表向きの理由はBSデジタル放送強化だが、1ケタ台の視聴率も影響したとされる。そして、08年シーズンは1つ増やして41試合の中継にしたものの、新聞各紙によると、同社の久保伸太郎社長は、巨人へ異例とも言える注文を付けた。
松井以来の10代開幕スタメンになった坂本勇人内野手(19)を積極起用するよう、原監督らに要望。3月24日の定例会見では、「皆、若い人の活躍を見たいわけでしょう」「視聴率にいい影響?もちろんでしょ」と本音を明かしたのだ。
日本テレビでは、ゴールデンタイムなどにおける「視聴率1けた追放」を進めており、何とか巨人にも協力してほしかったわけだ。ちなみに、昨シーズンの巨人戦の視聴率は、平均9.8%だった。
テレビ局の中には、中継数を減らすところも出ている。テレビ朝日は、08年シーズンの巨人戦中継は、昨シーズンに比べ1つ減らして、12試合にした。「視聴率低迷が関係している度合いは多いです」と広報部。「ケースバイケースで試合の内容による」としながらも、中継時間を短縮するかどうか検討中だという。
一方、TBSでは、巨人戦中継について、「従来に比べ、大きな違いはありませんが、横浜ベイスターズ主催ゲームについては、全試合CSニュースバードで放送するなど、力を入れています」(広報部)とコメントしている。
今後の巨人は、坂本内野手らの若手が育たず、4月4日にもフリーエージェント資格を得る上原投手が大リーグ入りすることになれば、さらに危機的な状況になる。
前出の岡田さんは、「(テレビですべて見られるために)試合時間の短縮が必要との声もありますが、ただ早く終わればいいわけではありません。内容のある試合なら、長くても退屈しないのですから。今は、日本の野球をいかに面白くしてファンの目を向けさせるか、しっかり考えないといけません」と話している。