京都の舞妓の人数が約40年ぶりに100人を超えた。背景には、映画などで取り上げられ最近、人気が急上昇していることがある。それに加えて、インターネットで舞妓になる方法が分かりやすくなったのも影響していそうだ。
1975年には20人台にまで落ち込む
京都伝統伎芸財団ではHPで「舞妓のなり方」を紹介している
京都伝統伎芸財団(おおきに財団)によれば、舞妓の数が2008年3月下旬に100人を超えた。1965年以来最多となる。京都・五花街の舞妓の数は、1975年には20人台にまで落ち込んでいたが、1980~90年代は60~70人前後で推移していたという。それが最近なぜ増えたのか?
「テレビなどメディアで露出したのが大きいと思います。最近は、インターネットで調べて(舞妓についての)情報を仕入れる傾向も出てきました。昔は、舞妓にどうやってなれるのか分からなかったですから」
とJ-CASTニュースに話すのは、おおきに財団の伊藤修参事だ。
財団はホームページ上で「舞妓のなり方」を紹介。「舞妓さんになるための10ヶ条」では、「中学卒業から17歳まで」「親の同意」「和風の生活が好き」「ガンバリ屋の性格」といった条件を紹介し、応募要項も掲載している。
また、舞妓の派遣を案内しているサイト「舞妓」では、「舞妓さんBBS」という掲示板も設置しており、ネットユーザーが舞妓になる方法や流派など業界情報を交換している。
その一方で、舞妓への関心が高まっているという背景もある。
舞妓をコンセプトにした化粧品を発売
最近では、舞妓を題材に扱った映画「舞妓Haaaan!!!」が07年6月に公開され、大きな評判を呼んだ。また、ゲームソフトのプロモーションに舞妓さんを起用する企業も現れるなど、注目度も高まっている。
さらに、常盤薬品は『舞妓はんのリキッドファンデーション』『舞妓はんの化粧筆』を07年1月に、舞妓が使う牡丹刷毛をもとに開発した化粧筆「舞妓はんの化粧筆 おしろい・ほほ紅用」を08年3月に発売するなど、舞妓をコンセプトにした化粧品を相次いで投入している。
おおきに財団の伊藤修参事は、
「日本の伝統文化をかっこいいと思う女性も増えているんじゃないでしょうか」
と推測している。