SNSビジネスは戦国時代に突入した?
井上氏は、
「『ミクシィ』の一極集中はもう終わった」
という。
その理由として、最近「ミクシィ」では利用者にとってマイナスになる情報が多く発信されていることを指摘した。08年3月3日に発表された新規約で、日記などの情報を自由に使用・改変し、著作者人格権も行使させないと一方的に決めたほか、07年10月にはデザインをリニューアルしたが、会員から「使えなくなった」「旧バージョンに戻してほしい」などという苦情が殺到したことも記憶に新しい。
ネットサービスの特徴は「おもしろいサービスが登場した途端、会員が大移動する」傾向が挙げられることから、他のSNSサービスを展開する企業にとって今が「チャンス到来」と言えそうだ。
また井上氏は、「SNSが定着した今、単に会員数が多いというだけでは利用者にとって魅力的とは感じられない。サービス内容や、使い勝手のよさなど独自色を出していかなければ、生き残れない。SNS戦国時代だ」と現状を分析した。
今後考えられるサービスでは、富裕層や学生とターゲットを絞ったもの、動画のアップロードに注力したもの、セキュリティを重視したものなど。ネット難民向けなんていうものも、可能性があるという。次期勝ち組を目指して、各社は模索中だ。
サービスの独自性を追求する上で、ハードの進化も無視できない。井上氏は、「ノートパソコン並のCPUを搭載した携帯電話が近く発売される。また、ワンセグより高画質の外付けモニターや、音声入力方式が普及する。ハード面の充実で、より進化したサービスが登場するだろう」という。