「クラウン」ハイブリッド 予約殺到に潜む不安

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ユーザーは納期まで待ってくれるのか

   発売後1ヶ月の間に旧型以前のクラウンから新型クラウンに代替するユーザーの比率が、12代目では65%だったのに対し、13代目では70%に増えたことも要因だ。販売店は、本来、レクサスの「GS」「IS」に移行するはずだったユーザー層が、クラウンに居残っているだけではないかと推測する。レクサス「LS」は、トヨタ「クラウンマジェスタ」「セルシオ」のユーザーが移行することで販売好調となった。13代目クラウンの受注好調は良いが、トヨタ店が保有するユーザーをトヨタ、レクサスの両ブランドで食い合うのでは、両ブランドの店舗を持つトヨタ店は経営が成り立たなくなるわけだ。

   5月に発売されるハイブリッドは、法人や官公庁の購入が中心になり、13代目のなかでハイブリッドの比率は15%程度になるとトヨタは予測。東京などの大都市圏の販売店は、代替に踏み切らない個人事業主が多いこともあり、一時的に13代目の受注の30%をハイブリッドが占めるとみる。

   13代目の月販計画5500台のうち、ハイブリッドの販売計画は800台。発表後1ヶ月の累計予約受注は2400台に達し、5月の発売後の納車は2ヶ月待ちの7月となった。トヨタはハイブリッド車の生産能力の増強を順次行っているが、ハイブリッドユニットの増産でトヨタ自動車九州や部品メーカーなどの足並みが揃うのは2009年となる。

   ただ、2009年以降、トヨタにはリチウムイオン電池を搭載した新たなハイブリッド専用車やプラグインハイブリッド車の投入計画もあり、他社も含め新たな魅力のある車は次々と登場する。クラウンハイブリッドの納期があまり長くなった場合、新技術を求める個人ユーザーがどれだけ納期を待てるのかにトヨタの販売店は疑問を持つ。

   LSのハイブリッドの販売では納期を待つユーザーがしっかりと存在した。はたしてクラウンハイブリッドはどうなるのかが見えない状況にある。クラウンハイブリッドを試乗してから購入車種を決めるという個人事業主や個人ユーザーも多く、評価が下されるのは、まだ先のようだ。

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