ヤマダ電機に追随する動きが出てくる
小売業界ではコンビニエンスストアなども利用者利便を第一に考え、休日営業や深夜営業を増やしてきたが、最近ではヤマダ電機が指摘するようにCO2削減やワーク・ライフ・バランスの実現をめざして営業時間見直しがはじまっている。
大手スーパーのイトーヨーカ堂は、午後11時まで営業する店舗を04年3月に比べて半減の36か店にした。「店舗の立地やお客さまの来店の傾向をみながら1か店ごと精査した結果」(セブン&アイホールディングス広報センター)と話す。
小売業界に詳しい三菱総合研究所の高橋衛主任研究員は、「ヤマダ電機が元日営業を取りやめた影響は小さくない」という。「元日営業をやめたといっても1日休日が増えたというだけですからね。シンボリックに打ち出した感じ。ただ、小売業全体としては人材確保に何らかの手を打たないとならないところにきています。ヤマダ電機はそれを先取りしたといえます」
元日営業は大手スーパーのダイエーが先鞭をつけて以降、この10年ほどで急速に拡大してきた。規制緩和の後押しもあったが、収益至上主義に走ったこともある。それが曲がり角を迎えた。
高橋氏は、「今後はヤマダ電機に追随する動きが出てくる」とみている。