トルコの希少種が日本で売られる
タカネルリクワガタは、オークション以外でも流通しているのだろうか。
埼玉県内のクワガタ・カブト専門店の店長は、J-CASTニュースの取材に対し、「取引されているのは見たこともありませんね」と首をかしげた。
ただ、ネットなどでは、動植物の希少種が取引されて問題となるケースが見られる。07年9月には、トルコの一部に生息し、角が3つに枝分かれしている希少種のアクベシアヌスミヤマクワガタの乱獲が問題に。共同通信が、多くは日本向けに売られ、日本のネットオークションに約4万円で出品されていると報じた。また、朝日新聞の08年3月22日付記事によると、南米に生息する大型カブトムシ約100匹を密輸しようとしたとして、大分市の買い付け業者がアルゼンチン当局に逮捕された。希少種のカブトムシは数十万円の高値で取り引きされているという。
国が緊急指定種にした例は、ほかにワシミミズク、イリオモテボタル、クメジマボタルがある。うち、イリオモテボタルについては、J-CASTニュースの調べで、ビッダーズに石垣島産のオス1匹が9000円で出品されているのが分かった。ただ、3年間の指定期間を過ぎ、その後も希少種に指定されなかったため、環境省野生生物課では、「出品に問題はない」としている。とはいえ、珍しいホタルだけにネットで取り引きされているようだ。
ネットで高値をつける動植物では、「黒いダイヤ」と呼ばれるオオクワガタが知られる。1999年には、最大クラスとされたオオクワガタが1000万円で売買されて話題になった。現在はどうかと、クワガタがよく取引されるビッダーズを検索すると、オオクワガタは5万円ほどの出品もあるが、ほとんどは5000円までの入札値がついていた。
一方で、前出のクワガタ・カブト専門店のホームページを見ると、南ベトナム産のオオクワガタに約15万円の値が付いていた。国産には少なくなった大型に人気があるようだ。同店の店長は、「2000年ぐらいの当時に比べれば、値段は落ち着いてきています。といっても、ピンキリで、人気があるものはやはり高いです」と話している。