フリーターの否定的受け止め方強まる
さらに同機構では「安定」というキーワードを強調。その根拠として、フリーターの受け止められ方を挙げる。フリーター観について聞いた質問に対して「自由で多様な働き方である」と肯定的に捉えたのは26.8%にとどまったのに対し(04年比13.1ポイント減)、「生活を不安定にする働き方である」と否定的受け止め方をしているのは、実に88.0%(同2.5ポイント増)にのぼっている。このような状況に対して、同機構では
「やはり、雇用の不安定化が指摘されていることもあって、安定を求める動きが強まっているように思います」
と話している。
こう見ていくと、「会社との一体化」が強まっているかのように見えるが、一概にそうとも言えなさそうだ。「福利厚生の給与化」を求める声が多くなっているのだ。いわば「社宅や保養所にかけるコストがあるのならば給料を増やして欲しい」という声だが、このような意見を唱える割合が99年には50.8%だったのに対し、04年には61.1%、今回は64.5%まで伸びている。原因については、同機構では
「そのような考え方が普及している、ということはあるのだとは思いますが…」
と話しており、はっきりとした原因は分からない様子だったが、「仕事以外では会社に構って欲しくない」といったトレンドが生まれている可能性もありそうだ。
今回の調査対象のうち、若者(20~34歳)の割合は15.1%。今回の調査結果では、年代ごとの回答は公表されていないが、「比較的若年層の方が独立志向は強い」といい、詳細は3月末に発表予定の報告書に掲載されるという。