3月の在庫を減らすスタンドも
4月1日から値下げの可能性について、前出のスタンド経営者は、「20円とか値を下げてくるところも出てくるのではないかとにらんでいます。私どもも、早めに安くしなければならないエリアもあります」と話した。産経新聞の3月23日付記事によると、値下げが行われた場合、石油連盟の試算で、1日当たりの全国でのガソリン平均販売量が現在の約15万キロリットルから約200万キロリットルに急増する可能性があるという。
競争激化を見越して、このスタンド経営者は、自衛することを考えているとも。「できるだけ3月の在庫を少なくして、4月からの入荷を増やしたい。品切れもありうるので、元売りと交渉するつもりです」。一方、タンクローリーを走らせている静岡県内のある運送業者は、J-CASTニュースの取材に、「月末にかけてオーダーが絞られてきており、4月に入って運んでくれというスタンドが増えています。でも、タンクローリーの負担も限界があり、混乱を起こす可能性がありますね」と話した。
改正案は、参議院で成立しなくても、衆議院で再可決して4月下旬に成立するとの見方もある。しかし、その場合についても、出光興産では、「また、先に給油しておこうと客がスタンドに殺到して、同じような事態になる可能性があります。消費者の行動が見えないのが悩み」(広報室)と話す。
競争が激化した場合、スタンド側が不利益を被る事態も考えられる。前出のスタンド経営者は、「うちには、4月1日からすべての店舗で25円安く売る力はありません。(スタンドが負担した)税金の還付を財務省が行うとか、元売りが一時的に仮払いするとかがクリアにならないと困ります」と当惑した様子だった。