テレビ番組のネット配信目指す 民間研究団体が「ネット法」提唱

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

クリエーター保護など巡り賛否両論

   ネット法については、ネット上では賛否両論がある。

   はてなダイアリーの一つ「ナフイェコンル」では、「とくに音楽などは どんどんコピーさせた方がいい 人に聞かれてこそ音楽は意味がある その曲を耳にした人がきちんと購入する可能性も高い」と日記に書いていた。一方で、2ちゃんねるにスレッドが立ち、「底辺にいるクリエーターの権利を制限して、中間業者の権利を拡大する法律かw」「また、利権か。第二第三のJASRACができあがるだけだな」との書き込みがあった。

   有識者の間でも、ネット法への意見が分かれている。

   支持するのは、ITジャーナリトの佐々木俊尚氏だ。佐々木氏は、ネットでのコンテンツ配信の問題点について、「テレビ局は、番組をネット配信すると高止まりのCM料が下がるので消極的。また、著作権許諾問題や、制作システムがIT化されておらず売り上げの分配が取り決められていないことがある」と指摘。「(ネット法提唱の)一括して事後払いの方がネット配信実現の可能性が高く、そういう流れになるべきだと思います」と述べた。

   企業の利権などにつながる恐れについては、「そういう可能性はありますが、中間企業を経由しないでクリエーターと消費者をつなぐ方法は現実的ではないですし、第3者機関が利益を分配しないといけません」との見方を示した。そして、「テレビ局などと同じスタンスで、アニメクリエーターなどコンテンツ制作側も第3者機関に参加できる枠組みにすることが必要です。オープンな組織で透明性を確保し、きちっと利権の監視を行うようにすればよい。優秀なクリエーターがネットでも儲けられるように、建設的な取り組みは悪くないと思います」と話した。

   慶応大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構の岸博幸准教授は、ネット法には否定的な立場だ。

「ネット上にコンテンツが流通しないからと言って、何でも著作権法を悪者にするのは間違っています。第2に、本当にクリエーターの収入・権利は守られるか疑問です。配信などの段階で、アーティストも意に沿わない改変をされると困るのではないでしょうか。ネット法は、現実性にも乏しく、ちょっと無理があります。むしろ、制度ではなくビジネス慣行に問題があり、そこを変えていくべき部分が多いと思います」
1 2
姉妹サイト