東芝はバブル期以来18年ぶりに2000人台
09年度の採用計画は、東芝が2000人とバブル期の91年度以来18年ぶりに2000人台に乗る。三菱電機も08年度比115人増の1500人を予定。日立製作所は1450人で94年度以来15年ぶりの1400人台。松下も90人増の890人を計画する。
一方、学生の「理系離れ」が進んで、技術者の卵が減少し、「売り手市場」に拍車をかけている。さらに、理系の学生が金融工学に知識を生かせる金融機関などに流れてしまうことへの危機感がある。今回の初任給引き上げは既に08年4月入社が決まっている新卒者が対象。だが、各社は09年春以降の新卒者を引きつける材料にしたい考えだ。
今春闘は電機各社の賃上げが月1000円と前年並みにとどまり、米国の景気減速や急速な円高・原油高・株安の進行を理由に経営側は人件費の増加に慎重な姿勢を崩さなかった。ただ、「金の卵」は例外扱いの格好で、これを迎える一般社員は複雑な気持ちになりそうだ。