低迷日本株 「そろそろ買いごろ」は本当なのか 

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   米国経済の停滞が深刻化し、株価の低迷が加速するなかで、個人投資家が株価純資産倍率(PBR)や利回りに注目、「そろそろ買いごろではないか」と物色している。

19日の大幅続伸も、まだ下落基調

株安は続くのか
株安は続くのか

   2008年3月19日の東京株式市場は、米国の連邦準備制度理事会(FRB)が18日に0.75%の利下げを発表したことなどから過度な金融不安の後退を背景に、終値で前日比296円28銭高の1万2260円44銭と大幅に続伸した。

   17日の株式はほぼ全面安の展開で、日経平均株価は一時550円超急落して12年7か月ぶりに1万2000円を割る水準にまで達していた。円高・ドル安で、これまで日本経済を引っ張ってきたトヨタやホンダ、キヤノンやソニーなどの輸出関連株が総崩れした。

   日本の株式市場の7割を占めるという外国人投資家にとって、円高になった分だけ、ドルベースでみて日本株が上昇したことになるので、まだまだ日本株が売られると見る向きは少なくない。19日の株価の戻りは「ちょっと反発しただけ」(証券アナリスト)にすぎない。

配当利回りが10%超える銘柄も出現

   2008年3月18日の日本経済新聞は、17日の東京証券取引所第1部の上場銘柄のうち6割近い996銘柄がPBR1倍を割り込んでいると報じた。このなかには、08年3月期で最高益を更新するリコーや、10年ぶりに連結経常利益が1000億円を超える三菱重工業などの好業績企業が含まれている。

   PBRは低ければ低いほど株価が割安であることを示す。このところの株価の急落でPBRも下がって、割安株が増えているというわけだ。1倍以下の銘柄はきわめて割安とされ、しかも銘柄をみていくと、業績悪化が招いた株安ではない銘柄が含まれているというのだ。

   同じように、利回りも注目されている。2008年3月19日のヤフーファイナンスで「配当利回りランキング」をみると、丸三証券11.95%、創建ホームズ11.54%、武富士10.53%、サンシティ9.40%、飯田産業9.01%(いずれも東証1部)・・・と、高い利回りの銘柄が続く。

   武富士は、「(利回りは)ここ最近で上がってきました。株安の影響でしょう。株価については、業績の下方修正の影響が出ると思っていましたが、それほどでもないようです」と話している。

   利回りの高い銘柄は、資金のハイリターンが期待できる新興市場に多く、こうした企業は株価収益率(PER)も高い。PERも株価の割安性を測る指標だが、株価が下落することでPERも下がっている。

   こうしてみると、たしかに「そろそろ買いごろではないか」と思うのだが、ある大手証券のアナリストはこう忠告する。

「株価が下落している局面では、高利回り以外に『買い』の材料がないので注目されますが、飛びつくのは危険です」
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