チベット自治区で起きた大規模な騒乱で、中国政府の対応に国際的な非難が高まっている。騒乱の現場からはジャーナリストが締め出されており詳細は不明だが、衛星写真から500人以上が死亡したという情報や、ラサの市民が中国治安当局に拉致されたというなど様々な情報、憶測が飛んでいる。北京五輪を控え、選手やスポンサー企業が大会への参加を自粛する可能性もある。
スター選手が五輪不参加を考えている?
チベット騒乱で北京五輪の選手がボイコットの可能性も
チベット自治区の区都ラサで、中国政府のチベット政策に抗議する僧侶らの大規模デモが続き、治安当局と衝突して死傷者が多数出た。2008年3月15日の国営通信・新華社は、暴動のなかでの放火で10人が死亡したと報じている。
中国当局は、チベット仏教最高指導者でインドに亡命中のダライ・ラマ14世がこの騒動に関与していると非難したが、一方のダライ・ラマ14世は3月16日に「文化的な虐殺」と中国政府を批判。ダライ・ラマ14世の亡命政府は、80人の遺体が確認されたとしている。
中国政府は、外国メディアがチベットから自由に報道することを禁じており、騒乱の詳細は不明だが、印メディアのインディアデイリーは、衛星写真から、500人以上のチベット人が死亡し、少なくとも1万人が負傷したと報じており、さらに、チベット人権民主センターは3月16日に、何百ものチベット人が3月15日から治安当局に逮捕されていると発表している。
ラサでの騒乱は混迷を深めているが、北京五輪への影響は避けられない状況になりつつある。
ドイツのIOC副会長トーマス・バッハ氏は、独紙ビルト・アム・ソンタグに対して、スター選手の何人かが大会をキャンセルすることを考えている、と明かした。