なにがなんでも返済を強制する日本の「悪習」を正す
優れた住宅は社会的インフラとして大きな価値をもつ。「悪玉」となったサブプライム住宅ローンにひとつ利点があったとすれば、それは米国民の住環境を前倒しで改善させたということだ。
アメリカの普通のサラリーマンがどれだけ立派な家に住んでいることか。それに比べてお話にならないレベルにある日本の住環境。その質を向上させる第一歩として、さらには家が倒壊しても失業しても病気になってもローンの返済を強制する、わが国独特の悪習を正すためにも、ノン・リコース住宅ローンの導入を提言したい。
++ 枝川二郎プロフィール
枝川二郎(えだがわ じろう)国際金融アナリスト
大手外資系証券でアナリストとして勤務。米国ニューヨークで国際金融の最前線で活躍。金融・経済のみならず政治、外交、文化などにもアンテナを張り巡らせて、世界の動きをウォッチ。その鋭い分析力と情報収集力には定評がある。