公共事業落ち込みに苦しむ建設業 農業への「転身」増える

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「確実にもうけが出るとは限らない」のがつらい

   まったく別の「産業」へ出て行くのだから、不安は大きい。建設業の農業参入の先例となった、前出の橋場さんに寄せられる質問の多くは、「販路の確保」という。しかし、橋場さんは「問題は販路ではなく、価格。とにかく安定しない」という。

   たとえば、3年前(06年)に台風が北海道を横断したとき、そばが収穫できず高騰したのに、07年は暴落。「建設業は1か所で採算が合わなくても別の現場があるが、作物は1年1作。失敗したらそれで終わり」と、リスクの高さを強調する。

   収穫を増やそうと思って耕作地を広げるにしても、「確実にもうけが出るとは限らない」のがつらい。それどころか、「(参入しても)まず5年は絶対にもうからない」と言い切る。

   「わたしはいきなり大きくやってしまったが、小さく、勉強しながら少しずつ進めていけば、とは思います。農業はやってみると楽しいもの、おもしろい仕事であるとはいえます」(橋場さん)。それは確かにしても、2006年度に39%にまで落ち込んだ食料自給率(カロリーベース)を押し上げていくような馬力はありそうにない。

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