約10年間、野村の経営の主力メンバーはほぼ同じ顔ぶれ
野村HDはサブプライムローン問題で、07年1月から計1456億円の巨額損失を計上した。今回の人事は「サブプライム問題とは関係ない」という ものの、海外事業の見直しなど課題は大きい。投資銀行業務などは既に国境を越えており、金融業界の国内外の競争は激化している。こうした中、これまでの約10年間、野村の経営の主力メンバーはほぼ同じ顔ぶれで、「社内に閉そく感があるのも事実」(野村関係者)との声も出ていた。
大幅な経営陣の入れ替えにより、世界の金融界での勝ち残りを目指すための新たな体制を整備したい、というのが今回の大幅な経営陣交代の狙いだったといえる。渡部氏も記者会見で、「野村の課題は山積している。運営、仕事の進め方を含め、グループ全体を変えていきたい」と強調、大胆な変革に取り組む決意を表明した。これから、その手腕が問われることになる。